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年頭にあたって(会長 須田 寬) [2018.1.01]

謹賀新年

年頭にあたり皆様方の益々の御健勝と御多幸を祈念申し上げます。

「鉄道友の会」は今年で設立65年を迎えます。現在約3,000名の会員を擁しており、鉄道に興味を持つ方、鉄道を研究したい方々等の集まりとして活動しております。とくに近年は文化活動にも幅を広げてまいりました。鉄道施設車両などは大切な歴史的文化財であるにも関わらず、経年で使用しなくなったものは即撤去、改築、廃車等の対象となり、消えていきます。とくに鉄道は現在ほとんどが会社経営となっており、会社の経費面から不用資産の処分は極めて当然のこととされているので尚更です。このように貴重な資産(遺産)が失われていくことになり、また国、社会にとっても大きい文化的損失だと思います。「鉄道友の会」ではこのような鉄道遺産とくに歴史的、文化的に見て、貴重な施設車両については代表的なものを保存する呼びかけを行ってまいりました。そして近年、特別に文化財として保存すべき車両を、友の会会員や学識経験者による「文化財推せん委員会」を設けて検討していただき、重要なものについて国(文化庁)に国の重要文化財等への指定を要望してまいりました。その結果、一昨年には京都鉄道博物館の233号機関車(国産初の量産機)が重要文化財に指定されました。また、昨年には東京地下鉄道1001号電車(地下鉄博物館所蔵)と木造省線電車の始祖ともいうべきナデ6141号電車(鉄道博物館所蔵)の2両が追加指定されました。この結果、これらの指定車両の見学者が増加し、車両の保存への関心が高まってきたように思います。

友の会会員には全員に友の会が毎年前年入線の優秀車両に贈呈するブルーリボン賞、ローレル賞への投票権を持っていただいております。鉄道愛好家の目から、また研究者の目から受賞車両に指定された車両は、所有の鉄道会社が受賞にあたり記念乗車券発行、記念イベントの開催を行う等文化財として見直しておられるように思います。また、「鉄道の日」などに発行される日本郵政の鉄道記念切手の図柄の選定にも本会の役員が参加する等、車両の保存とその文化的意義を明確にする文化活動がここ2、3年の間に大きく前進しました。会員の皆様にお送りする機関紙『RAILFAN』も編集方針を一新し、好評をいただいております。また、『RAILFAN』は号を重ねて千号近く、貴重な研究文献としてその評価もいただいているところです。

「鉄道友の会」は、今年もこのような文化活動を会員の皆様の参加をもとに充実させ、鉄道愛好者団体として楽しく鉄道にふれられるような見学会、情報交換会等をより拡充し、あらたに本部主催ないし支部共催行事を多く開いて地方の会員の皆様にも本部行事に年何回かは参加していただけるよう展開の幅を広げてまいります。「鉄道友の会」の本年の活動に是非大勢の皆様方のご参加を期待する次第です。また、そのためにも一人でも多くの新会員のご入会も期待したいと思います。

魅力ある鉄道づくりを、そして交通文化の向上のために「鉄道友の会」は今年もさらなる努力を重ねる所存であります。

(鉄道友の会会長 須田 寬)

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